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始まりと終わりを経てたどり着いた原点から伝えること。

2019.04.06

三月の末から咲き始めた庭の桜も満開を迎えました。

来月には年号も改まり、新天皇が即位される御代替わり。

時代の終わりと始まりが混じり合う移行期。

実店舗を閉店し、新しい基盤を作るための準備の日々を過ごしている自分達の今と重なります。

始まりがあれば終わりがある。そしてまた始まる。

当たり前の自然の循環が、FUSABUSAにも起きているようです。

「房総の美味しいをつなぐ」を趣旨に、2011年春にオンラインストア、同年夏に実店舗を故郷の鴨川の里海にオープンしてからこれまで、自分自身を取り巻く環境も大きく変化しました。息つく暇もなく、次から次へとやってくる、それらを必死で受け止めながら葛藤を乗り越えていく。その積み重ねの先に今があります。

長年暮らした東京から故郷に戻ってきた8年前は、まさか自分が代々の農地を活かすために田んぼをやり、実家の所有する古民家に住む。ましてや、ようやく手に入れた海沿いの店を手放して、生まれ育ったルーツのある里山に拠点を移すことになろうとは、微塵も想像していませんでした。

18歳の頃「ここには何も無い」と後にした故郷の里山を、人生の半ばを過ぎた今「全てがある」と感じられるようになったのは、自分の外側ではなく内側にあるものの価値に目醒めた証。

童話「青い鳥」を想い起こさせる結末に、物事の本質を教えられます。

これからは、そこに無いものを外付けするのではなく、あるものの価値を見出し、光らせて外へとつなぐ足元からの循環を作りたい。

今思えば、実店舗をオープンしたばかりの頃の自分は、地元の食材を使い、生産者の紹介をしたりと地域に貢献しようとしてはいたものの、「この土地に無いもの」を求める外側からの視点でアウトプットしていたのだと思います。地域の魅力を伝えようと故郷に戻ってはきたものの、未だどこかで田舎の可能性を信じ切ることが出来ていなかったのかもしれません。

外側だった自分の立ち位置が内側に向かってシフトしたのは、父母の介護や看取り、主のいなくなった実家や土地を何とかしようと手探りで奮闘した時期を経てから。その頃は本当に大変だったけれど、その経験が無ければ今の自分はいないと思う。自分のルーツと再び繋がり直す濃密な時間。その結び目が固く強くなるに従って、それまで自分を取り巻いてきた環境に違和感を覚えるようになり、そのギャップから生じるモヤモヤが次第に膨らんでいくのを止めることはできませんでした。

いまの自分に相応しい、自分らしくいられる場所はどこか、探し求めた先に辿り着いたのが、自分のルーツのある里山の古民家と土地でした。

本来の場所で本来の自分らしく。

自分の足元にあるものを愛し、磨いて、外へ繋ぐ、健やかな循環から生まれる豊かさの基盤づくり。

今はその土台を作っているところです。

閉店の告知から移転、引越しまで、1ヶ月半と短い期間だったことから、お客様に十分に説明をすることも出来ないままで、急な決断に映ったことと思います。とはいえ、この流れはもうずっと前から少しずつ私たちに起きていた変化で、自然な流れに任せているうちに訪れた最適なタイミングでした。バタバタと引越しを終え、ようやく落ち着いて新しい拠点の準備に取り掛かれるようになったいま、改めてお客様やお世話になった皆様へこれまでの流れとこれからのことをお伝えすると共に、自分自身の中でも一つの区切りとしたいと考え、言葉にまとめさせていただきました。

故郷のルーツに繋がるアトリエと工房「ふさぶさnaya」、里山の循環をつくる田んぼとフィールド「ふさぶさファーム」。FUSABUSA の新たな基盤から、さまざまな手段や活動を通じてお届けする房総の食や暮らしの魅力を、ぜひご一緒に味わい楽しんでいただけますように。

今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

株式会社 ふさぶさ

小野 薫