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ふさぶさファームの記録③田んぼにする準備の年

2017.03.20

「耕さない田んぼの教室」では、日本の稲作の歴史から始まり、稲作で最も大事な「苗作り」のこと、日本の国土の中で田んぼが果たす役割とその背景など、じっくりと座学を学ぶと同時に実際の耕さない田んぼで田植え等の農作業を体験。この時点では、私自身、具体的に田んぼをやる予定も無かったので、テクニックや農法の話というよりも、その背景にある「耕さない」意味、考え方の本質的なことにフォーカスしていました。それまで畑も田んぼも一切何にもやったことがない、何の経験も知識も無い、まっさらな状態なので、先入観や思い込みにとらわれず、五十嵐さんが仰ることをひたすらに興味しんしん、スポンジがすーっと水を吸水するように、何の抵抗も無く吸収したのがかえって良かったようで、「耕さない」ことが「田んぼ」や里山、里海の自然に様々な恩恵をもたらしてくれることを、ごく自然に受け止め、回を重ねる毎にいつかはその仕組みを自分も実践してみたいと考えるようになっていました。

それでも、実際にはFUSABUSAを朝から晩まで切り盛りし、人手不足でお店を人に任せることもできない状態では、どうすることもできない…とぼんやり諦めながら考えていた私に、五十嵐さんが提案してくださったのが「田んぼ」ではなく、「田んぼの準備」をすること。
「何年も放棄されていた田んぼを、いつか田んぼにする、そのための準備をする年に来年はしたらどうでしょう」という提案でした。

手間ひまがかかり、苗作り等で目が離せない時期も多い田んぼは、お店を営む私には、どう考えても今すぐには無理。
でも、慣行農業で、且つ何年も放棄されていた土地にとっても、いきなり不耕起の田んぼは荷が重すぎる。
ならば、私も田んぼも互いに準備期間、慣らしの期間として来年は「耕作放棄地を田んぼにかえす」一年にする。
具体的には、荒れた田んぼに生えた竹や草を刈り、整えて、大豆を植えて畑にする。その後に麦を植えて土のバランスを整える。合間には畦や畑の草刈りをする。
それならば、草刈りをしながら、大豆の種まき、植え付け、収穫、麦の植え付け…などの主な作業の他は、月に1~2度草刈りをすれば、田んぼの準備を目的とした畑としては十分成立するし、耕作放棄地が一つ減る。里山保全につながり、景観も良くなる。そして何より、亡くなった父が大切にしていた代々の土地が甦る…!
FUSABUSAと並行して、土地を守り、田んぼを継承する準備ができる…!

もちろん、これには五十嵐さんご夫妻のサポートが不可欠ですが、ともかくこの予想外のありがたい提案によって、諦めていた実家の耕作放棄地の再生が大きく前進し、先祖代々の土地がまた水や作物を育む生きた土地になる道筋ができたのでした。
ここでもまた、五十嵐さんご夫婦との出会いが見えない何かによってサポートされているような気がしてなりませんでした。

続く)